メンタルの強さは気持ちの持ちようではない
不安時に気合を入れると逆効果
人の“不快”な状態に共通しているのは、「わからない」時。
今の“不快”な状態から抜け出すためのヒント(情報)を持っていないがために、「自分がなぜこうした状況になっているかわからない」「次の一手がわからない」となるのです。この「わからない」状態を放っておくと、いつまでたっても“快=ポジティブ”は生まれません。
つまり不快な感情を応急処置的に気持ちの持ちようで変えることは難しく、また、人はイメージとパフォーマンスのギャップが大きくなればなるほど不安が強くなり、モチベーションも下がってきます。
気合いを入れると、不安ややりたくないなどの気持ちが余計強くなる。
「生理的覚醒による優勢反応の強化」
眼のはたらきが向上すると、メンタルも強くなる!
メンタルの強い・弱いは、アタマの使い方の問題です。
メンタルをコントロールするには、起こった出来事に対して、多角的な見方をして、必要な情報収集を行い、それを速やかに分析して対処するという“情報処理”が的確にできるためのベースとなる力が必要です。
例えば、視野が広く、眼を広範囲に素早く動かせる人は、周りが良く見えており、不安を軽減するための新しい情報を取り入れやすくなる。その情報に対して素早く判断ができる人は、機転が利くため、ぐるぐる思考に陥りづらい。
また、目の動かしにくい方向を改善することで、思考のバランスを良くしていくなど、眼のはたらきとメンタルコントロールは関係するところが多いのです。
「緊張や不安があっても、メンタル機能、身体機能が適切に機能する」ようになることがこのトレーニングの目指すところです。
簡単トレーニングでメンタルの機能のベースアップ
メンタルコントロールのための情報処理が的確にできるためのベースとなるのが前頭前野。
前頭前野は、人間らしさを司る重要な脳の領域で、感情をコントロールしたり、状況に合わせて判断したり、意思決定する力に関係しています。
前頭前野を活性化させるためには、しっかり目を動かし立体的な情報をキャッチすることが基本です。昔は子どもの頃の外遊びで自然に眼のはたらきが鍛えられてきたものなのですが、現代の子どもたちはスマートフォンの小さな画面で動画を観たり、ゲームをしたりすることが日常化しており、前頭前野が未発達なまま大人になる人が増えています。
前頭前野は簡単な眼の運動をすることによって活性化することができます。
それに加えて、個々の課題に合わせたトレーニングを組み合わせて行うことが効果的です。
ポジティブな人とネガティブな人との違い
人間は、快と不快の感情を同時に感じることはありません。
メンタルが強い人、ポジティブに見える人というのは、不快を感じにくいわけではなく、“不快”な状態に早く気づき、前頭前野を働かせ、情報を処理する力がある人。不快な時間を短くすることができるから、快の時間が多くなるのです。
したがって、自分の性格を変えようとかポジティブ思考にならねばと考えるだけではなく、広い視野をもって情報を自分に役立てる思考力をつけるためにも“眼を鍛える”ことに意味があります。
30秒の眼のストレッチで自律神経のバランスがよくなった例。
思考の苦手は眼の動きでわかる
思考と眼の動きの方向は連動しています。
眼の動かしづらい方向がわかると、どのような思考が苦手かがわかります。
思考パターンからメンタルコントロール法を考えていきます。